校長あいさつ
弘前高校は、秀峰岩木山を遙か西方に仰ぎ、桜の名所として知られる弘前城の南約1qに位置し、重要文化財に指定されている五重塔で有名な最勝院と、46の寺院が建ち並ぶ寺院街にはさまれた閑静な場所にあります。
本校は明治17年8月20日、青森県中学校と称し創立され、明治22年には弘前に移転しました。今年創立141年の今日に至るまでに約3万5千人の卒業生を世に送り出しています。
本校の目指す人間像「持って生まれたものを深くさぐって強く引き出す人」は、第22代校長の小田桐孫一先生が、時勢に流されず、媚びず、志を高く持って生きるべしと高村光太郎の詩から引用して示したもので、本校の教育における精神的支柱となっています。
また、第一体育館には、明治の言論界の雄で反骨のジャーナリストである陸羯南の五言絶句 「誰人天下賢」の揮毫が掲げられています。
生徒は、日々この揮毫を仰ぎ見ながら、天下の賢たらんと、真摯な努力を重ね、充実した日々を送っています。

校長 古 川 浩 樹 (2024年4月)
本校は明治17年8月20日、青森県中学校と称し創立され、明治22年には弘前に移転しました。今年創立141年の今日に至るまでに約3万5千人の卒業生を世に送り出しています。
本校の目指す人間像「持って生まれたものを深くさぐって強く引き出す人」は、第22代校長の小田桐孫一先生が、時勢に流されず、媚びず、志を高く持って生きるべしと高村光太郎の詩から引用して示したもので、本校の教育における精神的支柱となっています。
また、第一体育館には、明治の言論界の雄で反骨のジャーナリストである陸羯南の五言絶句 「誰人天下賢」の揮毫が掲げられています。
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名山出名士 此語久相傳 試問巌城下 誰人天下賢 |
生徒は、日々この揮毫を仰ぎ見ながら、天下の賢たらんと、真摯な努力を重ね、充実した日々を送っています。
本校の校章は、大鵬を図案化したものであり、荘子の「逍遥遊」からとったものです。
曰く『北冥に魚有り、其の名を鯤と為す。鯤の大いなる、其の幾千里なるを知らず。
化して鳥と為る。其の名を鵬と為す。鵬の背、其の幾千里なるを知らず。
怒して飛べば、
其の翼は垂天の雲の若し。
是の鳥や、海運れば則ち将に南冥に徙らんとす。南冥とは、天池なり。』
とあるように、本校生徒一人一人が大鵬となり、常に南を図らんとするようにというもので、スケールの大きい、伸びやかな生徒の成長を願って制定されました。
本校の特色ある教育活動である「弘高ねぷた」は70年にも及ぶ伝統行事です。各クラスで一台のねぷたを制作し、市中を運行します。テーマ選びから設計、制作まで生徒たちだけで取り組み、方向性や手順などでの衝突や対立を繰り返しながらも、話し合いや協働により乗り越え、完成させた時の成就感は何ものにも代え難いものとなっています。若い感性や躍動感にあふれた弘高ねぷたを運行する弘高生の姿は、弘前の短い夏の訪れを告げる風物詩にもなっており、卒業生にとって忘れることのできない思い出ともなっています。
これらのよき伝統と「質実剛健」の校風を守りつつ、「同じであり続けたいのならば、変わらなければならない」という進取の気概を忘れず、また先行きが不透明な時代にあっても、単なる傍観者ではなく当事者意識をもちながら積極的に社会に参画し、新時代を切り拓いていく人材を育成していく所存です。
皆様には、弘前高校がますます飛躍するために御協力と御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

校長 古 川 浩 樹 (2024年4月)